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「だって、説明会あったのにその時いなかったもの、今日からでしょう?」  説明会なんてあったんだ。カナイが知らないということは面接があるよりも前にあったのだろう。 「うん、今日から、今まで全然水商売とかしたことなくて」  一応にこやかに答える。女の人間関係の中で変人扱いされると終わるとカナイは今までの人間関係の中で知っていたから、なるべく穏やかに話した。 「そうなんだ!私ねサエって子と二個一で面接して入ってて、今日は前の店のお客さん呼んでるんだ。他にも一緒に連れを連れてくるって言ってたから、一緒に付けるといいね」 「うん、そうだね」  自分より年下そうなのにもうお客さんが居るんだ。20歳のカナイは店の中でももう年上に当たるのかもしれない。 一体いくつなのだろうと、聞くか聞くまいか思案していると。 「あたしジュリって言うの、あなたは?」  ジュリは最初にカナイが付けようとしていた源氏名だ、この子がジュリでカナイよりも先に面接に行っていたのだ。 「あ、カナイって言います」 「カナイちゃんって言うんだ、変わった名前だね」 「う、うん。本の登場人物から取ったの」 「ジュリさんお願いします」  話していると尾崎が呼びに来た。相変わらず洗いざらしの髪の毛だ。 「じゃ、カナイちゃん後で電話番号教えてね」  と、ウィンクしながらジュリは席を立った。
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