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「楽しむ・・・?」
「そう、そうじゃないと緊張していたりすると相手に伝わっちゃう。逆にリラックスして、楽しんでると相手にも楽しい気持ちが伝わって、なんだかわからないけど面白いな~ってなっちゃうの」
「そういうもんですか」
「うん、そういうもの」
エレベーターが1階に到着すると、さてとっとチヅルは背伸びした。
「いっちょやりますか」
店が入っている通りは平日ということもありあまり人が居なかった。
それでも数分ごとぐらいには人が通るので、その度にチヅルは声をかけていた。
「かわいい子いっぱい居るよ、ちょっと寄ってみない?」
「かわいいって、どれぐらいかわいいの?」
「私ぐらい。てへ☆」
「てへじゃね~よ、それじゃ大したことないじゃんか」
「うそうそ、本当にいっぱい居るから見て行ってよ」
こんな具合に懲りずに声をかけていってる。ちなみに「大したことない」と言わてたが、チヅルのかわいさは大したものだとカナイは思う。
見ていたら須藤に「カナイちゃんもちゃんと声かけて」とたしなめられた。そうは言っても声をかけるそばから素通りされていくのでにべもない始末だった。
「あ、カナイちゃんちょっとこっちきて」
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