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「急いで乗ろう」  早足で駆けてエレベーターに飛び乗ると、チヅルはエレベーターのボタンを押した。目的の店は最上階にあるらしい。  カナイが暮らしているマンションからH駅までは2駅しか違わないからよく来ていたが、最上階は行ったことがなかった。 「よく見つけたね、看板が外に置いてあった訳じゃないのに」  リョウが聞くと、チヅルはふふふと笑って見せた。 「単純にお客さんからの情報。一緒に行こうか~って、話になったんだけど音沙汰無いから、同伴出勤にさせられるの嫌になったのかな」 (同伴かぁ、すごいなぁ、怖くて言い出せない。同伴だったら多少遅刻してもいいんだっけ)  エレベーターが最上階に到着し、出て目の前にお店があった。 「へぇ、パンかライスとスープも付いて1000円だって」 「ねぇねぇ、シェフのおまかせサラダもおいしそうだし付けて3人でシェアしない?」  口々にチヅルとリョウが、店の前に展示してあるレプリカの料理を見て言った。 「サラダも食べたいね」  とカナイも同意の返事をした。 「じゃ、ステーキセットとサラダで決まりだね」  そう言ってチヅルは店の中に入っていった。 「3人でお願いします」 「3名様ですね、少々お待ちください」
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