70人が本棚に入れています
本棚に追加
/115ページ
店員が振り返り、何か店内の人と合図すると、こちらに振り返った。
「どうぞ、ご案内します」
一番奥のテーブル席に案内された。店の内装は明るく、テーブルや椅子も明るい色の木材が使われたもので統一されていた。たぶん客層は家族客が狙いなのだろう。
「一番年長だから上座もらい~」
チヅルが奥に座ると、手前の2つ椅子にリョウと並んでカナイも座った。
既に店員は後ろで待っていたらしく、水とおしぼりを置いて行く。
「ご注文がお決まりになりましたらおよびください」
「あ、もう決まってます。ステーキセット3つとシェフのおまかせサラダで。あと、取り皿も3つください」
チヅルがメニューを受け取る前に言った。
「ステーキセット3つとシェフのおまかせサラダですね。パンとライスが選べますがどちらにされますか?」
「私ライスで」
「私もライスで」
「じゃ、私もライスで」
「ライスを3つですね、かしこまりました」
一礼して店員は下がった。
「そういえば、タマキちゃんは来なかったの?」
カナイはリョウに聞いてみた。リョウとタマキは双子で大体いつも行動が一緒だった。お店でも二人で同じ席に付いた方が指名も取りやすいのだと、前に言っていた。
最初のコメントを投稿しよう!