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「今日はね、タマキは同伴出勤だから別行動になった」
「そうなんだすごいねぇ」
「前の店からのお客さんだからね~、もう長いよ」
一体同伴出勤というのは何をやるのだろう?お店では同伴すると指名のポイントが高く設定されていたが、カナイは怖くてフリーで付いたお客さんに連絡を取って「同伴を~・・・」と言うのができないでいた。
「カナイちゃんはユニティが初めてのお店だもんね」
チヅルは前に言っていたことを覚えていたらしい。
「うん、未だに指名を貰えなくて。ってかその前に何を話していいかわかんないっていう」
ため息を付きながらカナイは言った。やっぱり水商売は向いてないのかもしれない。
「話なんてなんだっていいんだって、気にしない気にしない」
チヅルは笑いながら言うが、そもそも女の子同士でも話題を出せないでいるカナイなのだ。男性相手に何を話せばいいの検討も付かない。
「私はね、車の雑誌でしょスポーツ雑誌。アイドルの雑誌もだし、男の人が好きそうなの読んで話題にしてるよ」
チヅルが指を折りながら数えた。
「車、スポーツ、アイドル・・・」
カナイはまったく目を通したことがない部類だった。そういえば店でよく古今東西っていうゲームでは、よく車の車種があげられるっけ。
「あと、釣りとかもね」
「あ、釣りなら好きかも」
田舎で川釣りをしていたので多少は分かる。
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