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「ほら、そうやって相手の話題のツボを探していくの。あとは自分もツボになりそうなことを勉強していくとどんどん話題なんて出てくるわよ」
なるほど、こうやってみんな努力しているのだ。そういや、一流のボステスは毎日3紙以上の新聞を読むと聞いたことがある。
「あ、そうだ。カナイちゃんこの仕事ずっと続けるの?」
リョウが突然に聞いてきた。
「ずっとって言うか、借金を返し終わるまでかな」
「結構ある?」
恥ずかしくて真っ赤になりながら頷く。
「じゃあ、それなりに長いこと働くんだね」
「そうなるね」
出来るだけ早く返し終わりたい。他人の借金を背負わされているというのは気分が良くない。
「この仕事を長いこと仕事続けるコツがあってね、っていうかお客さんをずっと繋ぎ留めておく方法」
え、まさか。秘伝の夜の営みとか、そんなんですか?と身構えていると。
「あのね、簡単なこと。お客さんと寝ないことなんだよ」
「へ?」
思っていたのと真逆のことを言われ頭が混乱した。
「だってさ、男の人の頭の中ってヤルことしかないって言うでしょ?ヤル為なら本当になんでもやっちゃうのよ。そこが単純でかわいいところでもあるんだけど。やっちゃうとね男って賢者モードになるっていうか、追っかけようって気がなくなるの」
「すごいね、リョウちゃんっていくつ?」
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