6/7

70人が本棚に入れています
本棚に追加
/115ページ
「二十一だよ。うちさ、母親もスナックやってるから、小さいころから店に出入りしてたのよ。で、水商売のこととか見聞きすること多かったから、この歳でも色々知ってるんだ。お客さんにも色々居てさ、タマキと双子じゃん?面白がって仲たがいさせようとしてくる客も居たもん、あの時は面倒だったなぁ」 「仲たがいなんかさせて何が面白いの?」  素直に聞いてみた。 「うーん、なんていうのかな。人の不幸は蜜の味って言うじゃない?私はそういうのよくわかんないけど、その不幸を操作して作り出すって感じかな。それ見て面白がってるの」 「へぇ、変な人も居るもんだね」 「だからさ、女の子の悪い噂とか客から聞いても、話半分に聞いておいた方がいいよ、たまに本気にする人居るから。あと女の子がライバルの子の噂流すとかもあるね、そっちのほうがまだ分かりやすい」  自分と1つしか違わないのに色々知っていて感心していた。 「水商売怖い・・・」 「怖い面だけ見るといっぱいあるよね、どうしても闇の部分と繋がり出てくるし」  チヅル話に入ってきた。 「チヅルさんもなんかあったの?」 「いっぱいあったよ~、同伴って言って車に乗ったら山の方に連れて行かれそうになって、慌てて飛び降りたり」 「うわああー」  カナイが青ざめているとチヅルはにっこりと笑った。 「危ない橋の方が儲かるからね、リスクはしょうがないよ」
/115ページ

最初のコメントを投稿しよう!

70人が本棚に入れています
本棚に追加