70人が本棚に入れています
本棚に追加
/115ページ
そんな達観した領域まで行ける気がしなかった。
そうこうしているうちに、ステーキが出来上がってテーブルに運ばれてきた。
「わぁ、おっきい。これで1000円って安くない?」
チヅルが目を大きくして感動している。
確かに目の前に並べられたステーキは手のひらが隠れてしまうぐらい大きい。
いつかこの二人の様に、指名をいっぱい取れるようになる日が来るのだろうか。そんなことを思いながらステーキを食べた。
ステーキを食べ終わった3人は、会計を済ませると、モールの中のパウダールームに向かった。
そこでカナイは二人のお化粧の仕方をこっそり見たりしていると、リョウが白いマスカラをカナイの睫毛の先に塗ってくれた。
「お化粧頑張った日って、指名すっごい取れる気がするんだよね」
と、微笑みながら言ってきた。
「だからカナイちゃん、今日は指名取れるよ」
「ありがとう」
「本当だよ、間違いないから」
優しい先輩に当たって良かったと思いながら鏡越しに微笑んだ。
最初のコメントを投稿しよう!