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「チヅルさん来れないって、聞いてない?」
「そうなの?」
リョウに言われて初めて知ったぐらいだ。
「さっきまで知らなかったよ。同伴?」
「ううん、なんか病気とかって言ってたけど」
通りで電話しても繋がらないはずだ、しんどくて電話なんてできないのかも、病気ならそのうち出てくるのだろうか。
「お見舞いとか行けないかな?チヅルさんの家って近い?」
「確かN駅って言ってたと思うけど、その先は知らないのよね」
「そっかぁ」
N駅ならH駅から分岐して出ている線路を2つ行ったところだったはずだが、付近には閑静な住宅地がいくつも並んでいて、苗字を知っていてもとてもチヅルの家を探せそうにもない。
「しょうがないから5人で行こうか」
そう纏めると、タマキが言った。
「ところでジュリちゃんとサエちゃん遅いね」
もう集合時間から15分経ってる。
待たせるのはいい女の証拠、なんて昔週刊誌か雑誌で見たことはあるが、さすがに女の子同士では通用しないだろう。
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