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そう思っているとジュリとサエが来た。
「ごめん、遅くなって。子供の用意で手間取っちゃってさ」
そういうと3歳ぐらいの男の子を抱いたサエが男の子を地面に立たせた。サエはシングルマザーで一人で育てているのだ。
「ほら、ご挨拶しようね。僕はリョウタですって」
「ぼくは、リョウタです。3歳です」
たどたどしいリョウタのしぐさに、みんなメロメロになった。
「焼肉屋さんは幼稚園以下は無料だったよね」
ジュリが聞いてきた。
「うん、確かそうだったと思う。けど料金取られてもいいでしょ、この際」
そういえばと思い出したように付け加えた。
「チヅルさん来れないって?」
「うん、ジュリちゃんも聞いてるんだ、病気だってね」
なんだ、知らなかったのは私だけみたいだ。みんなネットワーク築くの早すぎる。
ジュリが一瞬意味深な顔をしたのを見たが、特に追及しなかった。
(何かあるのかな)
今知っている連絡先以外の方法は分からないし、本人休みじゃ聞きようがないし。今のところ手詰まりだな。
「それじゃ、揃ったし焼肉行こうか、予約取ってる?」
リョウが聞いてきた。待っている間おなかがぐーぐー鳴っていて早く行きたいとさっき言ってた。
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