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「いや、取ってないけど。まだ新しいし、広い店だから今の時間なら余裕のはず」
店の窓からしか見たことがないが、この時間で平日だとそんなに客が入ってるイメージなかった。待っても10分も待たないと思う。
みんなは少し急ぎ足で、でもリョウタが遅れないように気を使って歩いた。
ほどなくして、焼肉屋さんが見えてきた。
「よかった、空いてる」
店員に大人5名幼児以下1名と告げると、やはり幼児以下は無料とのことだった。
広い6人席のテーブルに案内されると、店員が子供用の椅子を持ってきた。確かにリョウタの座高ではテーブルの上まで見えないから、店側の配慮に感謝だ。
とりあえずみんなビールということと(リョウタはオレンジジュース)、注文は適当にファミリーセットで注文しておいた。ここは、自分で取りに行く方式ではなく持ってきてもらう方式だった。その代わり、お残しは厳禁だ。
ジュリがそわそわしてるのが気になった。
「ジュリちゃんどうしたの?トイレ?」
「うん、ちょっとね」
なぜか言葉を濁してくる。
「どうしたのよ、トイレならそこよ」
タマキは後ろの通路を指した、その先にトイレのマークがある。
「いや、チヅルさんのことなんだけど」
みんな静まり返った、気になっているのだ。
「チヅルさんがどうしたの?」
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