3/6

70人が本棚に入れています
本棚に追加
/115ページ
「いや、取ってないけど。まだ新しいし、広い店だから今の時間なら余裕のはず」  店の窓からしか見たことがないが、この時間で平日だとそんなに客が入ってるイメージなかった。待っても10分も待たないと思う。  みんなは少し急ぎ足で、でもリョウタが遅れないように気を使って歩いた。  ほどなくして、焼肉屋さんが見えてきた。 「よかった、空いてる」  店員に大人5名幼児以下1名と告げると、やはり幼児以下は無料とのことだった。  広い6人席のテーブルに案内されると、店員が子供用の椅子を持ってきた。確かにリョウタの座高ではテーブルの上まで見えないから、店側の配慮に感謝だ。  とりあえずみんなビールということと(リョウタはオレンジジュース)、注文は適当にファミリーセットで注文しておいた。ここは、自分で取りに行く方式ではなく持ってきてもらう方式だった。その代わり、お残しは厳禁だ。  ジュリがそわそわしてるのが気になった。 「ジュリちゃんどうしたの?トイレ?」 「うん、ちょっとね」  なぜか言葉を濁してくる。 「どうしたのよ、トイレならそこよ」  タマキは後ろの通路を指した、その先にトイレのマークがある。 「いや、チヅルさんのことなんだけど」  みんな静まり返った、気になっているのだ。 「チヅルさんがどうしたの?」
/115ページ

最初のコメントを投稿しよう!

70人が本棚に入れています
本棚に追加