4/4
前へ
/115ページ
次へ
 1回延長して、すぐに帰ったが一緒に来ていた相方の方は指名をしなかったようだ。ずっとひっきなしに女の子が変わっていた。  最後に付いたのが、最近新しく入ったミカだったが、それも指名せずに帰った。  エレベーターのところで見送ると、ミカがこそっと「もうあの人たちに付きたくない」と言ってきた。どうしたのか尋ねると、「だってあの人たち詐欺師でしょう?」との返事だった。カナイはそれに対して何も言えなかった。  ミカはそのことを尾崎に言って、次から付けないようにしてと頼んだが、さすがに尾崎も客の顔を全部覚えていると思えなかったので無駄だと思った。 「おさわりしたり、暴力振るったり、乱暴なことしてくる訳じゃないならいいお客なんだよ」  と、尾崎はミカを説得していた。
/115ページ

最初のコメントを投稿しよう!

70人が本棚に入れています
本棚に追加