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「私は薬って言っても薬局で売ってるお薬か、お医者さんで貰うお薬ぐらいしか飲んだことないですよ」  それに、と付け加える。 「もしそんなお薬やってたら、もっとげっそりしてると思います」  そういうと、名無しの権兵衛さんは大笑いした。  実のところ同伴が増えてきてダイエットしなきゃってぐらいだったからだ。だからバドガールは避けた。 「ふむ。だけどね、朱に染まれば赤くなるって言うから、気を付けるんだよ」 「はい。分かりました」  にっこりと微笑む。  その日も名無しの権兵衛さんは朝まで飲んで電車で帰ったようだった。
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