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そう言って内田は携帯で店に戻ると連絡すると、二人を庇う様にしてビルの中へ連れて行った。
店に戻ると、尾崎が「どうしたんだ」と内田に説明を求めた。一応携帯で説明したらしいが、事実を直接聞きたかったようだ。
カナイは待機席に行くように言われ、リョウは更衣室で消毒と絆創膏を貼ってもらったらしい。だが、ショックから今日はもう仕事が無理だと言うことで帰ることにしたらしい。荷物を持って出て行った。
「カナイちょっと」
尾崎に呼ばれた。たぶんさっきのことだ。
待機席から見えない位置まで連れて来られると、尾崎は言った。
「さっきの話もう誰かにしたか?」
「ううん、誰にも言ってない」
もしかしたら顔色の悪さを誰かが気が付いたかもしれないが、カナイには誰も話しかけて来なかった。
「そうか、そのまま誰にも言わないで居てくれ。まぁ、そのうち広まるかもっしれんが」
「分かりました」
何せいつもキャッチしてるブティックのウィンドウに穴が空いてるのだ、何か事件があったと思うのが普通だろう。
仕事は出来そうか、聞かれて。正直帰ろうかとも思ったが、リョウを送った為車がなく、時間がかかるとのことだった。それならと店に残ることにした。
待機席に戻っても誰もカナイに話しかけて来なかった。すぐに指名の客が来たので呼ばれたせいもある。
指名を入れてきたのは不動産屋で働いているという客だった。連れの話では婚約が決まってて、結婚まではこうして遊ぶつもりでいるらしい。
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