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 言いふらさない様に口止め・・・。いや、それならタマキも狙われないとおかしい。それにそんな連中ならたくさん居るだろうから、末端で消費しているだけの人間を狙うだろうか。  そうなると、リョウが売人なら筋が通るところもあるかもしれないが、あれ以来体調が悪くて休んでる様子もないし、ましてやカナイにこっそり売ってくる様子もない。  考えれば考えるほど不思議な事件だ。 「カナイさん今日はもうあがっていいよ」 「はい」  内田に言われて、着替える為に更衣室に向かった。  あれだけの痕跡だから明日になれば地元のニュースになっているかもしれない。とりあえず今日は緊張した筋肉をほぐして休めることにしよう。 「それじゃお先に失礼します」 「はい、おつかれ」  さっきまでのことがなかったかのように尾崎はいつもと同じく忙しそうだった。
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