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 その日は週末で客の小野達が来ていた。  カナイはいつもの様に指名で小野の横に座り、いつもの様にゲームに興じていた。  そんな時である。 「カナイさんお願いします」  コールが掛かった、今度は誰の指名だろう?と「すみません、ちょっと指名が入ったので失礼しますね。また後で来ます」と小野に声を掛けて席を立った。 「どこの席ですか?」  案内されたのは、ジュリをいつも指名している新田と山本の席だった。先日の居酒屋の件以来、山本は来ればサエとカナイをダブル指名していた。 「あら、ご指名ありがとうございます」  新田の隣は既にジュリが居た。山本の隣が空いていた、サエは今日は休んだようだ。 「失礼しますね」  なんとなく嫌な予感がしつつも横に座った、二人ともいつもと雰囲気が違う。思いつめたようなところがある。
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