70人が本棚に入れています
本棚に追加
『絶対ジュリなの!あいつ私の悪口ばっかり言って、最低なのよ!』
絶対と言い切れる何があるのか分からなかった。
「ジュリを家に入れたから盗まれたのよね?」
『違うわ、あいつ勝手に入って盗んだの』
鍵が掛かってるのに、勝手に盗まれたなら。ジュリではないんではないだろうか。
「一体いくら盗まれたの?」
『全部よ、全部』
興奮しているようなので、とりあえず証拠が消える事のないように現場保存するして、盗まれたなら警察に届けたほうがいいよと言って電話を切った。
それからジュリと目が合うと思い出してしまって、本当に盗んだのだろうかと疑ってしまった。
ビルの前に出ると新田と山本が居た。二人とも今日は車では来てないらしい。
「最近は飲酒運転もうるさいからな」
と、笑って山本が歩き出した。
ラーメン屋はすぐ近くなので歩いても2,3分だ。
「サエから連絡あったか?」
唐突に山本から聞かれた。
「うん、一昨日ね。それがどうしたの?」
まさか、ジュリが泥棒したなんて話は言えない。
「そうか、やっぱりな」
(何がやっぱりなんだろう)
最初のコメントを投稿しよう!