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 訝しく思いながらもラーメン屋についた。ここは駅前だけあって、交番も近い。何かあれば駆け込める踏んでいた。 「すいません、4人なんだけど。テーブル席空いてる?」  店に入るなり山本が店主に声を掛けた。 「どうぞ、空いてますよ」  店主はにこにこしながら「4名様ご来店」と厨房の方に向かって声を掛けた。中からは「いらっしゃ~い!」と威勢のいい声が響く。  適当なテーブル席に座ると、店員が水とおしぼりを持ってきた。 「お決まりになりましたら、こちらのボタンでおよびください」  そう言って、去っていった。 「何食べる?なんでも奢るぞ」  メニューを見せてもらいながら正面を見る。席は指名と一緒で新田とジュリ、山本とカナイだった。 「じゃ、私塩ラーメンの並で」 「それだけでいいのか?ギョウザもここは美味しいんだぞ」 「じゃ、ギョウザもって、ちょっと一人じゃ多いかな」  折角奢ってくれると言うのだから、甘えておきたいが。山本の懐が広いことはよく知っていた。 「じゃ私しょうゆの並とギョウザはカナイちゃんと分ける」  ジュリが助け船を出してくれた。 「俺はしょうゆの大とギョウザにしようかな」 「俺もしょうゆの大とギョウザ」
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