70人が本棚に入れています
本棚に追加
16
打ち合わせ通り、駅前のコンビニの近くでサエを待った。
山本は言った。
「いいか、拉致監禁は犯罪だ。やるなら十分な根拠が無ければいけない、身体の危険があるとかな。だから、一旦会ったら説得をしてみる。それでだめなら他の方法を考えるから」
新田は車の中、山本は駅の階段の影に隠れていた。
サエには泥棒が入ったことを同情し、お金もないだろうからごはんを奢るから、リョウタと一緒に来てほしいといった内容のメールを送った。
本当はお金を貸してあげる、と打ち込みたかったのだが、それだけはやめておけと山本に止められた。
「嘘を付けば、あいつは絶対に恨んでくる。どんなに小さな嘘でもな」
それがサエの性格だと言うのだ。
最初のコメントを投稿しよう!