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 山本のところに駆け寄った。 「サエちゃん来なかったね」 「ああ、さっきサエっぽい女が乗った車が通りすぎたからな。俺たちに気が付いたんだろう」  新田の白い車に近づく。 「失敗したみたいだ、たぶん気が付かれた」  新田も後ろの席に座っていたジュリもため息を付いた。  カナイと山本が新田の車に乗ると「まぁ、しょうがない。あとは行政に任せよう」と山本が言った。 「そしたら、ジュリちゃんが警察に捕まるんじゃ?」  そのことが心配でこうやって個人でなんとかしようとしたんじゃないのか。 「いや、保健所と警察は管轄が違うからな、たぶん状態からいって精神科に入院ってことになるだろう。子供の虐待の可能性があるって言って通報するって方法もある。それにもし警察に通報されて薬物反応が出てジュリの名前が出ても、もう証拠もないだろ?」 「全部始末したよな?」  ジュリはこくんと頷く。 「ていうか、パーティでだけやって他は持ってないもん。パーティに行った時の服も鞄も全部捨てたし」  それなら大丈夫なのか、確かに尿検査で反応が出るか所有していなければ、現行犯逮捕にはならないはずだ。 「それにな、あいつには心配する友達が居るんだぞってことが分かったってのはとても大きい。カナイありがとう、お疲れさん」
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