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彼女は、昨日の夜に突然僕の家へ乗り込んで来たと思ったら、
「明日はアタシの誕生日なの!だからお祝いして!!ねっ!お願い!!」
部屋の入り口付近へ荷物を下ろすとそう言った。
電車とバスを乗り継いで、よく1人で来た物だと感心した途端にコレだ。
「大丈夫!ウチの親にはちゃんと言って来たから!任せといてよねっ!」
何をどう任せたらこうなるんだと思い呆れる僕から寝床を奪い、
「明日は朝からショッピング!映画を観て、ディナーが食べたいわ。もちろんデザートもね!」
そう言い捨ててあっという間に寝てしまった。
薄いタオルケットに身を包む彼女の寝息を聞きながら、どうしたものかと思案して、
最近はめっきり付き合いの無かった親族との珍しい邂逅の形かと、彼女を受け入れるコトにしたのだった。
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