第二章 厄島

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「今は混乱して、みんな苛々しているけど、きっといつか協力出来る日が来ると思います。その時は、柊子さんも協力してください」 柊子の返事を待つことなくそれだけ言って直弘と桑原の下へ戻って来るさゆり。 桑原はお腹を押さえて寝転がり、赤い空をジッと見つめている。 「ハンバーガー……フランクフルト……牛丼。家から少し歩いたら食べられたモノが食べられないのって、こんなに辛いんだね。あの眼鏡の女の人、今頃水をたくさん飲んでいるんだろうなぁ」 悔しそうにそう告げる桑原の目には涙が溜まっていた。横目でそれを見ていた直弘は、「そうだな」と小さく呟き、それ以上は何も言わなかった。 「雨さえ降れば、服を使って水を集めることは出来ると思う。直弘君の鍋もあるし」 さゆりがそう言った時、リナと真里奈が申し訳なさそうな顔で近づいて来た。どうやら、小林の言葉に従い二人だけで大きい魚を食べた事を謝りに来たようだ。
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