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「俺達と一緒に帰る気になってくれたのか?」
「まさか。アタシはただ、その鬼の面をもらいに来ただけよ。その面、この先色々使えそうだしね」
彩海はそう言って直弘とさゆりの間をスタスタ歩き、厄鬼の頭の上に乗せられた面を取った。
「フフ、本当だったでしょう? アタシが厄鬼を殺したって話。残る九人の厄鬼もこんな感じなら楽勝ね」
「あなたは……あなたは何で平気なんですか? 何で平気で人を……殺せるんですか?」
さゆりが目に涙を溜めながら問い掛けると、彩海はクスクス笑いながら鬼の面を首から掛けて口を開く。
「だってアタシ、この島に来る前に人を殺しているしね」
その彩海の発言は、直弘達三人から言葉を奪う。
それに合わせ、忘れていた蠅の翅音が、再び耳元で響き始めた。
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