第四章 厄介

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直弘達が森に入ってから数時間ほど経過した海岸では。黙々と釣りを続ける小林に石山が話し掛けていた。 「僕も昔、釣りの番組に出た事があるんだよね。結構得意だったんだ……小林さん、良かったら僕にもその竿、少しだけ使わせてはくれないかな?」 石山の言葉を聞いた小林は仕方ないなと言った様子で釣り竿を乱暴に手渡した。 「貸してやる代わりに、生きて帰ったらお前の知り合いの女優と一発ヤラせろよ。ドラマに引っ張りだこの俳優なんだ……有名女優の一人や二人知り合いだろ」 小林の厭らしい顔を横目で見ながら釣りを始めた石山は、小さく溜息を吐きながら「そんなこと出来るわけないだろう」と呆れた表情で呟いた。
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