最終章 本厄

118/126

2166人が本棚に入れています
本棚に追加
/708ページ
「石山さん、確かにあなたはこの厄払いの主催者だよ。でも、ひとつ勘違いしているのは、主催する人間はあなた一人じゃないってこと。この厄払いは、一年に数回、世界の何処かで開催されてるんだよねー。石山さんが主催したのは日本で五十三目の厄払い。厄年も国によって様々だから。中国は十二年に一度厄年が来るし、イギリスは男性が4のつく年齢、女性は7がつく年齢が厄年。ロシアは確か男女共に9のつく年が厄年だったかな。飛行機の中には日本人しか居なかったでしょう?石山さんが主催したのは、世界中で行われている厄払いのほんの小さな一つでしかない。ちなみに私は日本に一人しか居ない厄払い正式ナビゲーターでーす」  目を丸くしてミミコの話を聞いていた石山は、「お前、僕に二回目の厄払い主催者ですって言ったじゃないか」と弱々しい声で告げる。
/708ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2166人が本棚に入れています
本棚に追加