最終章 本厄

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「石山さんが参加する厄払いが二回目だって言っただけだよ。早とちりして勝手に勘違いしたのは、ア・ナ・タ」  石畳に押さえつけられている石山の鼻先を押しながらそう言ったミミコはスカートを翻してヘリの前に戻っていく。 「それでは賞金の進呈式をしましょっか。生存者が二名なんで五億円ずつ進呈しまーす」 「いい加減にしろよ。僕は厄払いの視聴者の一人である小堀社長とも親友なんだ。このゲームの貴重な資金源である小堀社長とだ!あの人が動けば、いくら正式ナビゲーターであろうと問題になるぞ!」 「へー、そうなんだ。でも、小堀社長はあなたのことなんて知らないって言ってた気がするけど?親友ってよく出来た言葉だよねぇ。どっちかがそう言えば、周りはそう言う風に捉えるんだから。でも、蓋を開けてみたらそんな繋がり無いこと多いもんね。ミミコは学校に行ったことないから、そういう感覚よく分からないや」  ミミコはそう言って隣に立つ黒服から拳銃を奪い取り、石山の顎に銃口を突きつける。
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