最終章 本厄

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「だいたい分かっていると思うけど、このゲームに関する事を警察に話したり、マスコミに話しても無駄だからね。何年かに一人、口外して死んじゃう生存者居るからさ。せっかく命助かって大金を手にしたのに、死にたくないでしょう?」  ふらつきながら立ち上がった直弘に自分の腕を絡ませながらミミコは笑いかける。  直弘はその笑みからすぐに目を逸らし、ミミコの腕を振り払ってその場にしゃがみ込んだ。 「頼む……数時間、いや、数分だけでいい。さゆりを探させてくれ」 「だから彼女はもう死んだって何度も言ってるじゃん。死体を見つけ出しても、機内には持ち込めませんからね」  ひとさし指をスッと伸ばして義務的な口調で注意したミミコは軽く溜息を吐いてから黒服に視線を流す。
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