リアル「なろう系ハーレム」な世界

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「ええ、ネットワーク・アタッチト・ストレージの略で、要するにネットワーク上で共有するハードディスクですよ。今日みたいに、パソコン内蔵のディスクにしかファイルがないと、そのパソコンが使えなくなったらおしまいじゃないですか。だけど、NAS にファイルを保存しておけば、ネットワークを通じてどのパソコンからも使えます」 「なるほど。そう言えば昔、研究室でそんなふうにファイルを共有してたな」 「研究室?大学のですか?」 「うん……まあ、そうだな」 「だったら話は早いですね。これで随分便利になりますよ」 「だけど、そのハードディスクは君の私物だろう?ずっとこれに入れたまんま、って訳にもいかないんじゃないか?」 「だったら、新品を買ってください。500GB もあれば十分だと思います。今なら五千円くらいで買えますよ」 「それくらいで済むのか!」篠原主任は目を丸くする。「だったら十分買えるよ。君に任せるから、適当に見繕って買ってきてくれ。領収書は忘れるなよ」 「分かりました。それで、主任、実は、もう一つ提案があるんですが……」 この時の俺は、その「提案」が後にまたフラグを立てることになるとは、夢にも思っていなかった。 ―――
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