リアル「なろう系ハーレム」な世界

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俺はと言えば、彼女の件で主任や他の先生方に「出来るヤツ」認定されたらしく、一気に仕事が振られるようになった。もちろん俺は「先生」じゃないので、現場で子供たちの面倒を見たりすることはないのだが、コンピュータを少しでも使うような仕事は、ほぼ全て俺に回されるのだ。表計算で何とかなる仕事は立川先生に下請けに出しているのだが、システム回りについては主任以外はお手上げの状態だった。結局、仕事量的には社畜時代と同じくらいに戻ってしまった。まあしかし、並み居る美女たちに尊敬の眼差しで見られるのは悪くない。それだけが前の職場と違うところだが、その違いは俺にとってはかなり大きかった。 しかし…… この三日間で分かったことの中で一番衝撃的だったのは、この園では非常勤も含めてスタッフの中で PC を曲がりなりにも使えるのが、現状では主任込みで四人しかいない、という事実だった。彼女たちは「パソコン四天王」と呼ばれており、もちろん立川先生もその中の一人だった。 だが、最初の立川先生のレベルから考えて、残りの二人のスキルも推して知るべしである。 これは頭の痛いことだった。それでも、立川先生はかなり色々出来るようになり、表計算以外にもワープロやプレゼン、お絵かきにまで触手を伸ばしはじめている。それで、新しいPCはほとんど彼女の占有状態になっていて、他の人がPCを使いたいときは必然的に古いPCを使うことになっていた。 「……ひゃあ!」 その日、その古いPCを使っていた、「四天王」の中の一人、中島アヤノ先生がいきなり悲鳴を上げた。 「どうしたんですか、中島先生?」 「いきなり電源が……落ちちゃったの……」     
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