22話 雨上がり、夏への誓い

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「じゃ。これで帰るから。カノジョちゃん、カナトをよろしくねー」 「お、おい……姉貴、なに言って――」  慌てる剣淵の声を掻き消すようにして、扉の閉まる音が聞こえる。  女性――剣淵の姉は帰ったのだ。それでもこの目で見るまでは信じられず、まだ心臓がばくばくとうるさく鳴っている。  身を強張らせてクローゼットの奥に潜んでいると、足音が聞こえて、それからクローゼットが開かれた。  念願の外の光である。それと、少し照れくさそうにしている剣淵がいる。 「悪かったな。出てこい」  なんて気まずいのだろう。目を合わせることができず、佳乃は俯きながらふらふらとクローゼットを出た。  佳乃が出たところで、剣淵は早々にクローゼットを閉める。それから隠れる前と同じ位置、テーブルの前でどかりと腰をおろして深く息をついた。  てっきり、帰れと言われるのではないかと思っていただけに、座りこんだ剣淵をみて佳乃も真似る。おずおずと対面に座れば、剣淵が口を開いた。 「聞こえてたと思うけど、あれ、姉貴だから」 「う、うん……ごめん、聞こえてた」     
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