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「でも、椎名さんは中学2年の時、僕を無視してたというか、目が合ってもすぐに逸らして・・・」
「私は広樹君を意識し過ぎて・・・、恥ずかしくて、そんな態度をとってしまったの。広樹君の方こそ、私を避けていたんじゃ・・・」
今度は彼が首を横に振った。
「ち、違うよ。僕は椎名さんの事が好きだった。だけど、僕だけ避けられている気がして・・・、そうか、僕達はお互いに勘違いをしていたんだ」
「そうみたいだね」
私が嬉しくて笑うと、広樹君は微笑んで私を真っ直ぐに見つめた。
「今日、君に会って気づいたんだ。僕は今でも椎名結衣さんが好きなんだって・・・、だからこれからも、好きでい続けても良いですか?」
断る理由の無い私は、広樹君の想いを受け止める。
「はい。私も好きでい続けて良いですか?」
「もちろんだよ」
「嬉しい」
「うん、僕もだよ」
私達は自然と手を繋ぎ、夜空に舞う花火を見上げる。
花火は夜空で大きく花開き儚く散るけど、私達の愛はずっと散る事はなかった。
END
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