四章

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* 外に出たところで、愛莉は雅人に電話をかけてみた。 つながらなかったが、留守電に切りかわった。さっきは留守電になる前に切ってしまっていたわけだ。 「雅人くん。わたし、愛莉。今から、雅人くんの家に行くね。近くまでついたら、また連絡する」 それだけ言って、電話を切る。 祖母の自転車を借りて、神社の方角へむかった。 雅人の祖父母の家が、そのあたりだったのは、たしかだ。 神社の近くの林は、立ち入り禁止の黄色いテープが張られていた。まだ捜査中なのか、警察官の姿も見える。周囲には放送局の中継らしい人たちが何組も、うろついている。 まあ、そうだろう。 こんな片田舎の町で、十五体も死体が見つかるなんて異常だ。マスコミがとびつかないわけがない。 このあたりかなと思いながら、住宅街をうろうろしていると、うしろから、ぽんと肩をたたかれた。 てっきり、雅人が迎えに出てきてくれたんだと思った。 「雅人!」 勢いこんでふりかえると、そこに立っていたのは、雅人ではなかった。杏だ。 「……あっ、ごめん。まちがえた」 「いいよぉ。彼氏と待ちあわせだったんだ」 「うん。まあ」 「わたしも今からデートなんだ。昨日の、すうくんと」     
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