四章

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(よかった。きっと、ここだ) 愛莉はなんの疑いもなく、呼び鈴をならした。 しばらくして、なかから七十くらいの女が出てくる。雅人は一人暮らしをしていたような気がしたが、これも勘違いだろうか? 「どなたですか?」と、たずねてくるので、愛莉は正直に告げた。 「雅人くんの友人です。雅人くんはいますか?」 「ああ、そうなの。雅人ね。ちょっと待ってね」 古い家だから、インターフォンがとりつけてないのだろう。わざわざ、前庭を往復して、なかへ呼びにいく。 そっか。あれが雅人くんのおばあちゃんか。しまった! もっと、しっかり挨拶しとくんだった。印象悪くなってない? 愛莉がそんなことを考えてあせっていると、ふたたび玄関ドアがひらいて、今度は男が出てくる。 愛莉と同年代の若い男。でも、それは……。 愛莉は、がくぜんとした。 自分の目がどうかしたのか? たしかに、けっこうイケメンだ。 たいていの女の子はキャアキャア言うかもしれない。 背が高く、健康的に日焼けして、スポーツマンタイプ。 でも、それは、雅人じゃない。 雅人とは似ても似つかない。 男が近づいてくるのを見て、愛莉は思わず、逃げだしていた。
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