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「……大丈夫?」
地べたに座り込んだまま動けないでいるわたしを、久住君が不安そうに見おろしていた。
なんで彼が?すごく急いで帰ったはずなのに。
「怪我は?頭打ったりしてない?」
わたしなんかのことをどうしてそんなに気にかけてくれるのかわからなくて、大きく首を横に振った。
「久住君が、どうして?」
「どうしてって言われても、お使い忘れて引き返してただけで。まぁ、しいて言うなら偶然?」
「ひどい怪我してる……」
「あぁ、こんなの慣れてるから。見た目ほどたいしたことないよ」
「う、嘘だよ、そんなの」
「確かに痛いけど骨が折れてないだけマシだね」
久住君はこっちを見下ろして、困ったように苦笑した。
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