1 つぼみ

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「あ、あの……ごめんなさい、わたしのせいで」 久住君は何か言いたげに目の前に立ち尽くしていた。その表情はさっきよりすこし固くて、わたしの身体は反射的にこわばった。 「それはいいんだけどさ、こんなんじゃ入店拒否されそうだから、代わりにオムツ買ってきてくれない?」 久住君の視線の先にはちょっと曲がってしまった自転車があって、彼は心底困った顔をしただけだった。 「お……オムツ?」 「うん。ほら、あそこで」 前方にそびえ立つおおきな看板を彼は指差した。
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