1 つぼみ

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「このメーカーで、テープタイプのMサイズ。いい?」 「テープ、Mサイズ……」 おうむ返しで、脳内にメモをした。 「手当ての薬とかも、買ってくるね」 「そこまで気にしなくていいよ。押さえてれば問題ないし」 こんなに血が出てるんだ、痛いに決まってる。あちこち地面に打ち付けて、打撲だってしているはずなのに。 「ほら」 それなのに、久住君は手を伸ばしてくれた。 その手を掴めずにいると、何も言わずにわたしの自転車を起こしてくれた。
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