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さっきの後ろ姿が、胸を痛める。
この目であんなシーンを見てしまって、何事もなかったように振る舞えるほど、わたしは物分かりよくできてない。
胃のあたりから込み上げてくる苦いものを、いつものように無理矢理飲み下した。
その嫌な後味は、いつまでたっても消えやしない。
「間もなく○○方面行き快速電車が通過致します。黄色い線の内側まで下がってお待ち下さい」
アナウンスが流れて、ホームの黄色い線をじっと見た。そのデコボコに、何気なく右足を乗せた。
足裏で自分の体重をちゃんと感じとれることにホッとして、左足もゆっくりラインの上に移動させてみた。
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