2 理人

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「ただいまぁ」 「おかえ……なに?どしたの!」 帰宅した俺を見るなり母さんは絶句して、包丁を投げ出すと、せわしなく救急箱を取りに行った。 「どうしたの!また喧嘩したの?」 「んなわけないじゃん。チャリで転んだ」 あちこち手当てをしてもらいながら、ユキの気配がないことに気がついた。 「ユキは?」 「パパの部屋」 「げ、あの人いんの?」 「ねぇ、ほんとに病院いかなくていいの?」 「ケガよりユキのことが心配じゃね?」 「ちょっと、まだ終わってないよ!」 手当てもそこそこにオヤジの書斎に向かった。
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