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「ただいまぁ」
「おかえ……なに?どしたの!」
帰宅した俺を見るなり母さんは絶句して、包丁を投げ出すと、せわしなく救急箱を取りに行った。
「どうしたの!また喧嘩したの?」
「んなわけないじゃん。チャリで転んだ」
あちこち手当てをしてもらいながら、ユキの気配がないことに気がついた。
「ユキは?」
「パパの部屋」
「げ、あの人いんの?」
「ねぇ、ほんとに病院いかなくていいの?」
「ケガよりユキのことが心配じゃね?」
「ちょっと、まだ終わってないよ!」
手当てもそこそこにオヤジの書斎に向かった。
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