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「……すまん、父さん買いにいってくるよ」
「いいよ、ミルクならサンプルもまだあるし、俺がいくから」
「いや、そんな怪我してるんだ。無理しないほうがいい」
「大丈夫だよ、急ぎじゃないし、たまにはユキの相手してやれよ。な、パパ?」
「……そ、そうか?」
嫌味を込めて言ったのに、ちょっと頬を赤らめている。
そういえばこのおっさんには意地悪が通用しないんだった。
オムツの交換は明日の買い物ついででいい。
それにしても、どうして間違えたんだろう、やっぱり俺が動揺させてしまったからだろうか。
結構な血が滲んでしまったガーゼを見たら、急に傷が疼きだした。
逃げるようにあの場を去った神崎さんのことが妙に気になって、ポケットからスマホを取り出した。
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