2 理人

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「……すまん、父さん買いにいってくるよ」 「いいよ、ミルクならサンプルもまだあるし、俺がいくから」 「いや、そんな怪我してるんだ。無理しないほうがいい」 「大丈夫だよ、急ぎじゃないし、たまにはユキの相手してやれよ。な、パパ?」 「……そ、そうか?」 嫌味を込めて言ったのに、ちょっと頬を赤らめている。 そういえばこのおっさんには意地悪が通用しないんだった。 オムツの交換は明日の買い物ついででいい。 それにしても、どうして間違えたんだろう、やっぱり俺が動揺させてしまったからだろうか。 結構な血が滲んでしまったガーゼを見たら、急に傷が疼きだした。 逃げるようにあの場を去った神崎さんのことが妙に気になって、ポケットからスマホを取り出した。
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