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呼吸のたびに大きな胸が上下して、それだけであかちゃんを立派に育てることのできる滋養のつまったドリンクがとぷん、となめらかな音を立てるんじゃないかと、耳を澄ましてみた。
ついさっき、このふくよかなおっぱいにはじき返された。そんなことを思ったら、ちょっとだけ悲しくなってしまった。
だからお米の粒をそっと摘まんで、
指先でぴんとはじいたんだ。
それは一瞬宙に浮かぶと逆光のなかに吸い込まれて、あっという間に消えてしまった。
驚いてしばらく足元をキョロキョロ探してみたけれど、それらしいものはどこにも落ちていなかった。
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