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薫風っていうんだろ、こういう春の風。
そういう気持ちいいものに吹かれて朝から寝れるなんて最高だ。
「久住君、重いです……」
「着いたら起こして?」
「ほんとに、寝るんだ」
女の子の自転車の後ろに乗るだなんて男としてあり得ない、ダサすぎると思っていたけれど背に腹は代えられない。
昨日の事故から一夜明けたけど、身体は痛いし相変わらず眠いしで、神崎さんに自転車を漕がせて自分は後ろで優雅に船を漕いでる。
空が青い。雲が白い。
まぶしい。綺麗だ。
あとはまぁ、
彼女が今日ちゃんと来てくれてよかった。
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