4 ふたり

2/47
260人が本棚に入れています
本棚に追加
/256ページ
薫風っていうんだろ、こういう春の風。 そういう気持ちいいものに吹かれて朝から寝れるなんて最高だ。 「久住君、重いです……」 「着いたら起こして?」 「ほんとに、寝るんだ」 女の子の自転車の後ろに乗るだなんて男としてあり得ない、ダサすぎると思っていたけれど背に腹は代えられない。 昨日の事故から一夜明けたけど、身体は痛いし相変わらず眠いしで、神崎さんに自転車を漕がせて自分は後ろで優雅に船を漕いでる。 空が青い。雲が白い。 まぶしい。綺麗だ。 あとはまぁ、 彼女が今日ちゃんと来てくれてよかった。
/256ページ

最初のコメントを投稿しよう!