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後ろ向きに跨いで座って、運転手にもたれた。ちょっと頼りない背中が、ちゃんと俺の体重を支えてくれている。
すげー前傾になってんな。
でもなかなかのリクライニング加減。
全然悪くない。明日からもこれで登校しよ。
「久住君、寝た?」
「寝る。もう寝る。サイコー、らくちん、あざっス」
「わたしもう、足が、ガクガクで」
「はぁ?弱音吐くの早くね?」
桜の花びらが、ふわりと目の前を横切った。
「もうすぐ、正門前だし」
「それが?」
「みんなに、見られるよ」
「で?」
「……恥ずかしくない?」
「神崎さんは恥ずかしいんだ?」
「誤解されるかも、いろいろ」
「誤解?」
俺が神崎さんをいじめてるとかって?
「うん。久住君は、目立つし」
「そーいうの気にすんだ?」
「……うん」
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