4 ふたり

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「お弁当、作れるんだ?」 「うちはずっと父子家庭だったし、しかも父親がポンコツだからね」 「でも今日の、お弁当は……」 彼女が言葉を濁すのがまどろっこしい。 「交換するかしないか。どっち」 少しイライラして高圧的になってしまった。 見た目を地味にしても、短気は簡単には治らない。 「交換、します」 彼女はバッグから自分の弁当箱を取り出して、ちいさくお辞儀した。 「甘い卵焼きうまかったなぁ、今日も入ってる?」 そう言いながら弁当を差し出したら、 俺の目をじっとみつめてきた。
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