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武内は腕の立つ5人を呼び、十郎と手合わせをさせた。どの者も、戦慣れした強者揃いだ。
しかし、十郎はものの見事に、彼らを打ち負かして行った。
「うむ。お主、歳はいくつだ?」
「21で御座います」
「その腕前は、何処で学んだ?」
「はい。俺は身寄りがなく、拾ってくれた親父殿に手解き頂きました。しかし、その親父殿も昨年亡くなりました」
武内は、いたく十郎を気に入った。
「良かろう。殿には私から話しておこう。住む所が無いのであれば、私の屋敷に来るがよい。部屋の1つくらいは空いておる」武内はそう言って、下郎の三吉に身の回りの世話を言いつけた。
武内 蔵ノ新は、壬生 義明と面会した。
「殿、面白い男を見つけました。手合わせをさせたのですが、これが中々の腕前です。まだ若いですが、家来に加えては如何かと」蔵ノ新はそう伝えた。
「ならば蔵ノ新、そなたに任す。お前の家来とするがよい。それより明日の宴は大丈夫なのか?お七の舞は可憐と聞きよる。楽しみじゃて。はっはっは」
と義明は、娯楽の事しか頭にない。
「はい、それはもう」蔵ノ新はそう応えた。
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