第2章 宴ーうたげー

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「おい十郎、こちらへ」と蔵ノ新は十郎を呼んだ。 「彼らは壬生の筆頭家臣だ。こいつは野里 十郎」 蔵ノ新は、お互いを紹介した。 「まだ若いのう?いやあ、彦三をやっつけるとは大した者じゃ」と忠茂が褒めた。 「まあ大いに励め」と成政も十郎の肩を、ぽんぽんと叩いた。 摂舟は、十郎の目を見つめて「では、またな」と一言残して、3人は屋敷を後にした。 皆んなと別れて、1人歩きながら摂舟は考え事をしていた。 あの十郎という男。ただの若者とは思えん。 あの目の奥に、何か言い知れぬ物を感じる。 摂舟はそう思いながら、夜風に吹かれていた。
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