二時間に一度が、何回も。

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二時間に一度が、何回も。

 二時間に一度、起こされる。抱き上げ、胸に抱えたまま、真っ暗な台所へ走る。湯をわかし、道具を用意する。耳元では、大きな音が鳴り続けている。しめった皮膚がびりびりと震えるのが、頬から伝わってくる。湯がわき、火を止める。容器に白い粉を入れ、湯をそそぐ。数度振り、しばらく、水にひたす。呼吸のような泣き声が続いている。  ぅ、あああああああぁ、うぅ、ぁあああああああ。  こんなに小さな体から、こんなに大きな音が、響き、渡る。
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