二時間に一度が、何回も。

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 小さき人は、しゃべることができません。  小さき人は、寝返りをうつことができません。  小さき人は、二時間に一度空腹になるのに、自分で食べることができません。  おつらいでしょう、小さき人よ。ですが私たちは、みな、こうして大きくなっていったのです。そうですよ。今この星に居る大きい人は、みな、誰一人例外なく、二時間に一度、誰かを呼んだのです。誰かがそれにこたえ、その人を抱き上げ、ミルクを与え、背をさすったのです。ですから、大きい人の瞳の中には、「二時間に一度が何回も」分だけ、その人のために捧げられた誰かの眼差しがあることになります
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