第22話 プーケット(幸せの意味)

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「おい、佐伯。コースでいいか?」小暮さんが佐伯さんに声をかけた。 「ああ、その方が楽だ」 その時、佐伯さんのスマホが振動して、「妻が到着したようだ。迎えに行ってくる」と小暮さんに言って、席を立った。 佐伯さんの奥さんはタイ人だが日本語を喋られた。佐伯さんとは一回り近く離れているので、30歳前半だと言う事だった。 聞いていた通り、彼女は美人で、シックな()で立ちのドレスに真珠のネックレスがとてもよく似合っていた。 私達は立って二人を迎えた。 「小暮さん、お久しぶりです」彼女が言った。 「チャッマニーさんは、相変わらず綺麗ですね」 「小暮さんこそ、こんな可愛い女性と一緒で、イイですね」彼女の日本語は少しカタコトだけれども、十分堪能だった。 食事は美味しく、会話もとても楽しかった。 小暮さんと佐伯さんが昔話で二人だけで夢中になっている間に、私達も女性同士で話し込んだ。 彼女はタイ北部チェンラーイ県の農家出身だった。 佐伯さんがバンコクに駐在中、夏期休暇で訪れたチェンラーイ県のチェンマイ(都市)で知り合ったと言った。 何をしている時に出会ったかは、あえて訊かなかったが、想像は着く。素朴なチャッマニーさんを佐伯さんはとても気に入ったようで、チェンマイ滞在中、毎日会っていたそうだ。     
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