第9話 クリスマス・エッチ

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何度も実際に着けて、確認したが決められなかった。 いつもは、結構、はっきりと「こちらがいい」という小暮さんも「どっちも似合う」と言って迷っていた。 最終的に、私がピンクを選んだ。 やっと決めて「ふうっ」と言うように小暮さんを見た。 でも、小暮さんは腕組みをしていた。 気に入らなかったのかな。そう思って、「ラピスラズリにしようか」と言った。 「いや、そうじゃないんだ。さっき見ていたゴールドの・・・」 そう言って、ショップのスタッフに声を掛け、ゴールドのリアンペンダントをもって来て貰った。 「もう一度、着けてくれないか?」 小暮さんが、ピンクとゴールド、両方のリアンペンダントを指した。 ゴールドを内側に、ピンクを外側にして2つのペンダントを着ける。 先ほど、ゴールド(だけ)を試着したとき、あまり似合わなかったので、早々に候補から外れていたのだが、2重にすると、色のバランス、ボリューム共に調和し、とても見合う。 自分で鏡を見て、似合うと思ってしまった。 両方会わせれば、40万円弱になる。とても、望めるものじゃないのは判っていたが、多分「欲しい!」という気持ちが表情に現れてたのだろう。 「やはり、その方が似合うね。1つでも似合うんだけど、なんか物足りなくて」     
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