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小暮さんは、スタッフに両方ともプレゼントで包装するように依頼してくれたので、気持ちは小躍りしてしまった。
「いいの? 2つも」
「目がね、訴えていたんだよ」小暮さんが言った。
「あら、忍んでいたのに」
「ハハハ、声が聞こえるほど、良く判ったよ」
少し気になることがあった。
「私はCHAUMETに負けてない?」
「うん、負けてない。結婚式なら問題無い。でも、普段使いは社会人になるまで、待った方がいい。学生の間は、パーティとか、そんな時に着ければいいよ」
由美のお姉さんの結婚式に招待されている、と小暮さんに言ったら、伊勢丹で紺色のドレスと薄いビンクのストール、パーティーボシェットに少しヒールの高い靴を買ってくれた。
その後に「クリスマスプレゼントを買いに行こう」そう言って、CHAUMETのショップに連れて来てくれた。
会社の女性が着けているのを見て、私に似合うと思って、何のブランドかを訊いたらしい。
訊いた時、そんもの(女性物のアクセサリー)に興味があるのか、と少し怪訝な顔をされたと言っていた。
・・・・・
小暮さんは、ベッドで私を後ろから抱きしめながら言った。
「結婚式はいつ?」
「1月」
「それは、少し忙しい時の結婚式だね」
少し忙しいとは言っているけど、少し迷惑な時期というニュアンスを含んでいるようだ。
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